7月のマンスリーゲスト 原 圭佑さん

インタビューを終えて:

ゴールデンウィークも間近の4月の日曜日。鎌倉駅の西口から、市役所通りを抜け、佐助方面に足早に向かった。佐助カフェで開催のウクライナ支援のチャリティイベント、間に合いそうにないけれど、その余韻だけでも味わえたらと。その日の主役となる「ハーディングフェーレ」とは一体どんな楽器なのか、どんな音色を奏でるのか、そしてどんな方が演奏されているのか、少しでも触れてみたくて。ようやくお店に着くと、やはり演奏は終わっていたけれど、確かな余韻が残っていた。あたたかくて満ち足りた空気感。

演奏後、素敵な知人の方々と談笑されていた原さんをオーナーの島崎さんがすぐにご紹介くださった。ありがたい。繋いでくださって。こういうの、なんとも鎌倉っぽい。

原さんは にこやかに、そして軽やかにケースを開け、楽器を取り出してくださった。初めて目にするその御姿は美しく、初めて聴くその音色は神々しく。

ハーディングフェーレやノルウェーの民族音楽のお話をされるご様子から原さんの深い思いが伝わってきて、改めて またお話を伺いたいと番組へのご出演をお願いする。


原圭佑さんは、鎌倉でハーディングフェーレ&ヴァイオリン工房Kを主宰、楽器の製作及び修理修復を行なっていらっしゃる。そして日本でこのノルウェーの民族楽器であるハーディングフェーレをつくり、また 修理ができるのは原さん唯お一人。

海外での学びなど、ここに至るまでの道のりやノルウェーでのご経験を番組でもお話しいただいたが、現地の風景やその奥にあるシーンなどを想像し、意識の旅をしながら スタジオで原さんの生演奏に触れた際は、言葉にならない感銘を受けた。その音色とノルウェーの光景がしっかりとご自身のなかで重なったことも、ハーディングフェーレの職人の道を志すことにつながった、と原さん。


イギリスやキプロスでの学びや研修の後、一時勤務されていた日本の弦楽器店での、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの楽器の修理、修復などの経験を経て、原さんが楽器そのものはもちろんのこと、お客様との対話からつくりだす音を大切にされている様子が伺える。原さんだからこそのコミュニケーションのあり方、そこから 生まれる音色。そのお力はハーディングフェーレの「伝道師」としてのお役目にも活かされているように感じる。


これからに対して、大きな野望のようなものはなく、淡々と自分のできることで誰かの役に立てるなら それが喜び、とは 原さんのソウルの声のようにも響いてきた。職人としてだけでなく、それ以外の活動においても、自然と貫かれている姿勢のようにも。

そんな喜びをひとつひとつ、重ねていくことで、原さんだからこそ 見える景色がこの先に広がっているのだろうな。


最後に、

日本でも数少ないハーディングフェーレの奏者である

素晴らしいお二人のご厚意により、

贅沢にもBGMとして以下の楽曲を使用させていただくことができました。

酒井絵美さん、野間友貴さん、ありがとうございます。感謝です。

前編: 酒井 絵美 アルバム名「VETLA JENTO MI〜ハーディングフェーレ伝統曲集〜」から「Fanitullen」

後編: Drakskip アルバム名「鼓動する足」から「新しい朝」作曲:野間友貴 / 編曲:Drakskip

是非、原さんのお話とともに彼の地にも思いを馳せながら聴いていただけたらと思います。

*こちらも酒井さん、野間さんのご厚意によりBGMもオリジナルのままの

番組のアーカイブを以下のnoteからお聴きいただけます。

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