収録を終えて:
6月13日、材木座の光明寺で開催された鎌倉アカデミア創立80周年記念祭。書院でのプログラムのスタートから進行役を務めていらした遠藤さん。この「ハレの日」での「はじめまして」の後、しっかりと言葉を交わすことができたのは、収録に際しての打ち合わせのとき。太陽のエネルギーも最高潮の真夏の朝。お話に夢中になり、気がついたらお日さまは真上に。正午を過ぎていた。鎌倉アカデミアのこと、そして研究されている鎌倉の別荘地文化、近現代史のお話を伺い、遠藤さんが語るその世界に没入。自分に中の新たな鎌倉、鎌倉アカデミア像が生まれていた。
鎌倉アカデミア創立80周年記念祭 実行委員会の委員長、遠藤さんにその白羽の矢がたったのは、ほんの数ヶ月前、この春のことだったそう。大盛況のうちに幕を閉じたイベントをほんの数ヶ月でかたちにされた実行委員会の皆様、そのリーダーとして、奮闘されたあつき日々だったかと思う。穏やかで誠実なあり方もチームの信頼関係を築く一翼を担っていたのではないだろうか。時折見せてくださる少年のような笑顔にこちらの余計な力も抜けていくよう。
番組ではおききしなかったが、打ち合わせの際に「鎌倉アカデミアを通して、どんなことを伝えていきたいですか?」の問いに、少し遠くをみつめながら「学ぶ喜び」とこたえて下さった。きっと遠藤さんはその喜びの体験をたくさん重ねていらしたのだろう、と想像する。
鎌倉の別荘地文化や近現代史を研究されている遠藤さんにとって、研究対象となる地に暮らす方々に直接会い、生の声をきくことが醍醐味の一つとのこと。論文に書き記された内容が説得力をもって響いてくるのは、ご自身の足でかせいだ一次情報をご自分の言葉で綴っていらっしゃるからなのだろう。保養地から別荘地、そして観光地へと辿った近代鎌倉。その変遷において見られる別荘族と地元民の関係がつくる非日常と日常が交差する都市構造。「御用聞」の存在とネットワークが作り上げた鎌倉特有のコミュニティのあり方や文化といった内容から、今、目の前に広がる街並みの見え方まで変わってくるようだった。そして、それが今の鎌倉の土地の息吹につながっているようにも。
遠藤さんにはそのお人柄から学ぶことも多々。やり取りを重ねる中で初めて出会う言葉があった。「緣尋奇妙 多逢聖因」。調べてみると良い縁がさらに良い縁を呼び、時機を得て発展していく様子は、まことに不思議で妙なるもの。良い人・徳の高い人と交わっていると、その縁が因となり、良い結果や恵みに結びつく、とのこと。
鎌倉アカデミアがつなぐありがたきご縁を思い、大切にしていきたい言葉となりました。