12月のマンスリー ゲスト 上江洲 慎さん

インタビューを終えて:

10年余の歳月を経ての再会。収録に先立っての打ち合わせで目の前にする上江洲さんは、その間に重ね、積み上げてきた経験が表情からも伝わってきて、感慨深く、そして親戚のおばちゃんのような感覚で嬉しく。

上江洲さんとの出会いは、NPO法人 鎌倉てらこやが設立当初から開催している建長寺での合宿に娘が参加させていただいたことがきっかけ。あれは、確か東日本大震災のあった年の夏。子供だけでなく、保護者も参加するプログラムもあり、当時の心模様と共に記憶に残っている。上江洲さんは未だ理事長の職に就かれる前だったけれど、現場の大学生や子供たち、保護者はじめ、関わる様々な立場の人たちをリードするお立場。全身全霊、まさにご自身が「本気」で取り組んでいらしたお姿が今も鮮明だ。


番組でもお話しいただいた鎌倉てらこやが大切にしていること、理念の一つにある「複眼の教育」。振り返ると、ご自身がまさに複眼の教育を受けてきたと感じると上江洲さんは語ってくださった。なるほど、と合点がいく。思考のスピード感と深さ、集中力、ユーモア、温かさ、目の前の存在への眼差し、そして物腰に至るまで、おそらく、これまでの数々のよき出会いからご自身の中にあるものを引き出してこられたのだろうと想像する。今回番組では紹介しきれなかったお顔や肩書きもお持ちの上江洲さんにとって、てらこやはライフワークとのこと。だからこそ子供達や学生、様々な関係性からみえてきたり、構築できることがあるのだろうな、と思わせる。収録中のオフトークで「仏性」についてさらに語ってくださったとき、子供たちと向き合う学生たちの中に「仏性」を見ることがある、と。学生たちの取り組みをリスペクトの念を持ちながらフラットな目線でリーダーとして動いていらっしゃることが伝わってきた。ご自身も学生として鎌倉てらこやと出会い、「一所懸命」に活動に関わってこられたから感じ得ることなのだろうな。


地域総がかりの教育プロジェクトを鎌倉初ではじめ、20年以上 活動を続けてきた鎌倉てらこや。そうした継続があってこその今、循環が生まれている様子もお話から伝わってきた。これからの「てらこや」の広がり、そして鎌倉内外の様々な取り組みで生まれたつながりも財産とされている上江洲さんだからこそ成し得ることも予感させる。


沖縄のことを語る時、なんとも柔らかな表情を見せてくださる上江洲さん。ご自身のルーツを大切にしながらのますますの飛躍、やはり親戚のおばちゃんみたいに楽しみです。

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