5月のマンスリー ゲスト 梅澤 淳仁さん

インタビューを終えて:

菜の花が色あざやかに陽光に煌めく3月、NPO法人福祉農業推進機構の作業の現場を訪れた。この日は数人で薪割りの作業。和やかさと大きな機械を扱うにあたってのピリッとした緊張感が同居する現場。代表の梅澤淳仁さんとお会いするのはこれが二度目。こなれ感ありつつ、キリッと引き締まった印象の作業着姿。その後、焚き火を前に農業のことから、梅澤さんのライフストーリーに至るまでを伺い、心地よい意識の旅を。


初めてお目にかかったのは2月のこと。福祉農業推進機構で共に働くメンバーが主役のイベントにて、梅澤さんの自己紹介の際のお話が耳に心に残った。そして、小さな偶然も重なり、繋いでいただいた方のおかげもあって、番組でお話を伺うことが叶う。


戦後創立され、長く鎌倉の地で造園業を営む庭匠梅澤の跡取りとして 庭師をしながら、NPO法人の代表を務める梅澤さん。農業と福祉の両立、「食」と「職」をつなぐ取り組みを展開されている。


お母様のお仕事の影響で幼少期から海外の文化に触れ、人々と交流する機会があったということから、しっかりと土地に根差す職人としてのお顔と共に 広い世界に対する好奇心や冒険心が伝わってくる。20代で世界を旅された時のお話は時間が許せば、もっとお聴きしたかったところ。


前職の臨床心理士時代の研究やそのデータなどからも農業の心理面への良い影響に着目、農業を取り入れた支援活動が何かできないか、模索していたという梅澤さん。

ご自身の持っているツールを最大限に活用した社会貢献を思った時、庭師の経験や知識と臨床心理士時代に培ってきた対人支援が、活動を起こし、推進していく力となったよう。

「プロセスで培ってきたものが、全部繋がる瞬間がある。」というお言葉が腹に落ちる。

「農福連携」という言葉や概念が先にあったわけでなく、ご自身の中で自然と道ができていった様子が伺える。


農業を暮らしに取り入れ、五感をフルに使っていくことで心身が健康になっていく。農業をみんなで楽しくやっていたら、副産物としてみんながハッピーになれる、そんなことを広めていきたい、そして、実践を淡々とできたらいい、と語る。地に足をつけつつの軽やかさも梅澤さんの魅力のひとつ。

楽しく 一緒に農業をやりましょう、という笑顔に これからも一人、また一人と土を耕す仲間が集まり、その輪を広げていきそうです。

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