収録を終えて:
8月、夏真っ盛りの収録の日。放送が9月だから、と山本正子さんは黒のお召し物でシックに、アクセサリーもスタイリッシュに秋の装いでスタジオにいらした。機能美も際立つ、もちろんご自身作のお帽子とともに。
正子さんを目の前にすると自然と口角が上がっていることに気づく。そのクルクルと動く大きな瞳につられるようにこちらまでいつもより目を見開いている。そして、気づけば一緒に笑っている。
お仕事のお話になるとその大きな瞳は違う力を帯びる。
帽子や装いを通して目の前のひとを輝かせる、 正子さんのプロ意識がそこにみてとれる。周りをご機嫌に、美しくするためには とご自身に向ける心のありようにも正子さんのプロとしての姿勢が伝わってくる。
沖縄で生まれ育ち、南国の太陽のようなパワーにも満ちている一方で 時折 奥ゆかしく たおやかな表情も見せてくださる。
人生のターニングポイントでの 目の前のひとの思いを優先しての大きな決断。
華麗なキャリアや物理的なものは手放しても「自分のすることを愛する」その思いは手放さなかった、だからこその今があるのだろうな。
収録に際してお持ちくださった作品の数々をまとめたフォトブックには展示会とはまた違う世界観もあり、改めて、美しいものに対する眼差しや ストイックなモノづくりに触れることができた。
少女のような瑞々しい感性と発想、 確かな技術と経験で みたことのない世界を創り出す。
鏡の前にたくさんの笑顔をうみだす。
正子さんのこれからがますます楽しみです。