収録を終えて:
若宮大路沿いを鶴岡八幡宮に向かうと 三の鳥居に近い左手、小池ビルの1階にある「道ギャラリー」。初めて訪れたのはいつのことだったろう。ギャラリーまでのアプローチにも趣があり、ここに こんな空間があったんだと新しい秘密基地をみつけて はしゃぐ子供のような感覚になった覚えがある。その後、大切な友人の作品の展示を観にいくようになってからは、鎌倉のお気に入りスポットに。そして、このギャラリーが道をつくり、 今回岩立さんにご出演いただくことが叶った。
収録に先立っての打ち合わせの際、「道」ギャラリーで展示される作品たちがうまれる場、道工房を見学させていただいた。明るく、オープンな雰囲気の中、皆さんが各々の創作活動に勤しんでいらっしゃる。目の前の作品に真っ直ぐに注ぐエネルギー。そばを通る私の存在に気づくと気さくにその表現についてお話しくださる。美大出身のスタッフの方と軽やかにコミュニケーションをとる様子にお互いの間にある信頼関係が伝わってきた。私が拝見したのは、この日のほんのいち場面。
岩立さんが向き合ってきた23年を想像してみる。いや、そんなに簡単に想像などできない。年月をかけて向き合ってこられた岩立さんだからこそ、感じ取ることのできる「共に生きる」ということに対する思いや確かな手触りがあるかと思う。
リスペクトする冒険家の背中を追って、海外へと飛び出し、高い山々を登ってきた岩立さん。穏やかなお声で語る表情や内容はとてもDown to earthで、しっかりと大地に足がついている印象。帰国後 高いだけでなく、変化に富み、突然迫ってくる数々の山々をひとつひとつこえてこられたこそのありようなのかなと感じる。
この夏開催予定の「エコール ド カマクラ」について語る岩立さんのお声から、熱量とワクワク感が伝わってくる。そのバイブスが駅を挟んで東と西、鎌倉いっぱいに伝播していくこと、
その景色が楽しみでなりません。